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アサドリの日記帳です。主にロックマンと日常。
2024/11/22  [PR]



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アンパンが地球最後の日とつながってた時期がありまして。

別に食中り起こしたとかあのオヘソが核ミサイルのスイッチだとか
そういうお話じゃありません。


昭和生まれ(平成ひとケタ前半もギリかな)の人は大体ご存知かと思います、
「ノストラダムスの大予言」。
あの、1999年7の月に空から恐怖の大王が云々っていうアレ。

恥ずかしながら小学生の頃、信じておりました。
日々夜も眠れないなんてわけはありませんが、折にふれ頭に浮かびました。

例えば年の瀬。大晦日は親戚宅に集まるのが恒例だったのですが
世もふけて親戚宅を出るその玄関で「ああXデーまであと○年だなあ」なんぞと
感慨にも似た恐れに浸ったものです。

でなければ日常。
なじみのある古い建物が建て替わったとか、
TV番組が新シーズンになってオープニング画面が変わったとか、
そんな(小学生にしては)大き目の変化があるたびに
どうしてだかあの予言を思い出しました。
今にして思えば、それまでの日常(というか、当たり前だと思っていたこと)
が吹っ飛んでしまった衝撃を、世界の終わりに仮託してたんでしょう。

と、ここまでがマクラ。
そんな風にして(嫌々ながら)馴染んできたノストラダムスの大予言ですが。

別の親戚宅が東京にありまして、長期休みともなると遊びに行ってました。
で、あるとき、銀座に行くことになりまして。銀ブラです。
で、ここでアンパン。木村屋のアンパンであります。
ほーらここがアンパン発祥の地だよーなんて囁かれましたらね、
どんな子どもだってテンション上がろうってものですよ。
特に地方在住なら、世の中心なんて感覚的にほとんど雲の上ですから。
で、うきうきしながら一同帰宅。
確か、普通のアンパンと桜アンパン3つずつだったと思います。

なんでこんなことまで覚えてるかって?

だって食べられなかったんですもん、私。
分かりやすいオチかなーとは思いますが。

割り当ては一人一個、冷蔵庫に入れといてもらったんですが
ちょっと経って胸を高鳴らせながら冷蔵庫開けたらね、ないの。
どこのどいつか存じませんが(しかし紛れもない血族ですよ)、
天下の木村屋のアンパンを私の分まで食い尽くしていたというお話。

ああ、1999年に世界は滅ぶわけだからもう二度と食べる機会はなかろうと
小学生一匹そぞろ涙に暮れたといいます。泣いてないけど。


時は流れて1999年、私はまだ学校に通っていました。
その歳になるともうノストラダムスがどうのと言い出す人はいませんでしたが、
ウワサの7の月には、やはり一、二度は口の端にのぼっておりました。
結局何も起こんないんじゃないのという先生、
いやいや31日に起こるかも知れんよという生徒、でどっと沸くクラス。
そんな風にジョークにする余裕も、その頃になると出てきました。
あれはある意味、あの歳の子供たちなりの諦念だったのかもしれない。

1999年7の月最後の日は快晴でした。
帰りの自転車を学校の車庫から出しながら、
これまで心のどこかでもう無いと信じていた「未来」というやつが
茫漠と広がっていくのを見た覚えがあります。


その後、周知の通り世界はいまだ無事であります。


本日自宅でこれを書いているわけですが、
会社帰りのカバンの中に、実は木村屋の桜アンパンが入っていたりします。
うん、買ったの。
あの日から今日まで、1999年7の月がちょうど真ん中に来るぐらいの時を経まして。

あの自転車小屋の夏の日以来、世界は破滅を免れているわけで、
私もこうして(当時にしてみれば思いもよらず)
因縁のアンパンを食べる機会を得たわけですが。

実を言うとこれを買ったとき、あの予言の思い出にちょっと浸ったのですが、
よく考えてみれば、隣の某国ではミサイル発射の準備が整いつつあり、
一歩間違えば戦争か、なんてシナリオも描かれているみたいで。

世界がいつまでも続くなんていうのは、もしかしたらただの勘違いで
私にとってアンパンは当分、終末につながるものらしいです。


だからってアンパンの価値が減じられるかと言えば、そんなこと全ッ然ないわけですが。


※ここまで書いといてアレですが、村上春樹はわかりません。難解すぎ。
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